定時制高校卒業した高校4年生の大学生活~ときどき思い出~

中学校まで優等生で通ってきたのに、県内有数の進学校に進学してはじめての挫折!4年かけて高校卒業した上京先には、想像もできなかった日常が待っていて…………!?学生寮のなかまたちと大学生活のカオスな日常。

傷つくことが怖い

恋人と距離を取っていた。

自分の感情がぐちゃぐちゃで、恋愛をして自分が振り回されることがすごく嫌だった。だから恋愛が長続きしたことはなかった。嫌われることが怖くて自分の意見を言えず、好きになってもらえるだろうと思って相手に尽くしてばかりだった。結局自分が疲れるか相手に冷められるかのどちらかで。自分は誰かと一緒にいることは向いてなくて、ずっと一人なのかもしれないと思っていた。


そんな中、初めてこの人の側にいたいと思える人に出会った。自分の意見や感情を相手に伝え、人と向き合うことの大切さを教えてくれた人。友人のときから、冷静に物事を観れること、それを論理的に言葉で言えること、人と向き合おうとする意欲がとても素敵で尊敬していた。そんな人と恋人になれて嬉しかったが、恋人になったらなったで、自分の言いたいことを言いやすくなってしまい、自分の思い通りにならないと感情をぶつけ、期待を裏切られたと勝手に悲しんだ。自分がいかに未熟であったかを思い知らされ、今回はさすがに距離を取った。


距離を取っている間、色んなことをした。

今1番会いたいと思う人たちに会った。ずっと目を背けていた家族との問題に向き合った。色んな人と話して、意見を聞いた。本をたくさん読んだ。恋人を一旦忘れようとした。だけど、思い出さない日は一日もなかった。今日はどうしているのか、体調は良いか、家族の様子はどうかと考えてばかりだった。恋人に執着しているのかもしれないと思った。それと同時に、自分はこの人の隣にたってもいいのか、自信もなくなった。元々自尊心が低くて、自分を満足に大切にできていないのに人を幸せにできる自信がなかった。