定時制高校卒業した高校4年生の大学生活~ときどき思い出~

中学校まで優等生で通ってきたのに、県内有数の進学校に進学してはじめての挫折!4年かけて高校卒業した上京先には、想像もできなかった日常が待っていて…………!?学生寮のなかまたちと大学生活のカオスな日常。

『千の夜を紬ぎ暁になる』

赦すとはなんだろう。
最近のキーワードは赦しである。
あんなに頑なだった私の心が溶けることが、赦すという言葉とよくマッチする感じがする。
完全に溶けたわけではない。けれど、少しずついい方向にに進んでいることは確かなのだ。気がするとかではなく、たしかなことなの。

未だに抵抗も残っている。気持ち悪いともさえ思う。けれど、ちゃんと向き合わなければならない、この事実に。ようやく、時が来る。こうなるまでに何年かかった?18年間の憎しみと怒りを、たったの4年なんかでは許せない。けれど、これも自分の一部なんだから仕方ない。そう受け入れて認められて発信できるようになったのは、この4年間に出会った人たちみんなが「生きるヒント」をくれたから。考え方、価値観、バックグラウンド、感性、感じ方。みんなが私を作った感じがする。それはヒントであって、決して答えではない。私はときどきそれを勘違いして、「〜しなきゃ」と空回りもした。でもだから、思考において一旦立ち止まって考えるようになった。「誰かの“すべき”に乗っ取られていないか?」って。

ちゃんと向き合ってみようと思う。半年ぶりに帰省するたびにどんどん老いている姿に気づいてしまうことがこわい。そうだもうあの時間と姿は永遠ではない、私とこの人たちが生きている時間もきっと残り少ない。

でもあとちょっとだけ頑張らせてほしい。就職活動という大きな節目を迎え、JR東海に就職を決めて、新幹線の運転手になれることが決まったらちゃんと話そう。そうしたらやっとこの重りがなくなる気がする。結局あなたが1番なりたがっていた新幹線の運転手になっちゃった、えへへって笑いながら話すんだ。そして、今いる素敵な恋人を紹介しよう。卒業式には揃って来てくれるだろうか。もし来てくれたら、色んなところをたくさん案内しよう、私が4年過ごした素敵な町を。
そして、新幹線の運転手になったときには1番にチケットをプレゼントするの。自分が運転する東海道新幹線にあの人たちを乗せて、小さい頃の思い出を回顧して、ありがとうって言うんだ。