宗教と家族とわたし~親とどう付き合っていくか~【その3】
「普通って何だろう。」
最近よく考えます。
親の宗教洗脳に気づき始めたころ、ずっと「もっと普通の家庭に生まれたら幸せだったのかな」なんてよく考えました。
でも、
「普通って何だ?」
普通の家庭ってなんでしょうね。
あったかいマイホームに、そこそこお金もあって、いきたい進路や、やりたいことをさせてくれて、親と仲が良く、なんでも言える。いつもなんでも褒めてくれる。おいしい料理をみんなで作って、ゴールデンレトリバーと、兄姉で仲良く暮らす。近所の人たちにも、「仲の良いおうちだこと」って言われる。
そんな想像をしてた。
なんて素敵な家庭だろう。
一方で、うちはどうだろう。
リビング以外全て畳の部屋だった、せまい3DKのビルに5人家族。ペットは弟が捕まえてくるザリガニや昆虫。自分1人の部屋などない。「習い事なんてやらなくていい」と言ってやらせてくれなかった。やりたいピアノを習えたのは、中1から。休日になれば、よそ行きの格好をして、宗教の集会へ毎週行く。そこで半日以上潰れる。常に溜まったままの洗濯物と、食器。母は体が弱いから、結構な頻度で寝込む。そのたびにわたしは弟2人に、レンチンカレーやラーメンを作る。父は定時で帰らない。出張も多かった。信者さんがたくさんいたものね。
どうだ。理想と全然違うだろう。
それでも。
当時のわたしはこの生活が「普通」だと思って生きてきた。
暴力されるわけじゃない。
ご飯を与えてくれないわけじゃない。
そこそこの生活を営んでくれたから。
年を重ねて、うすうす気づく。
「うちってちょっと変かも」
母よりも背が高くなって気づく。
「もしかするとうちの家ってすごく変かも」
けど、普通な家庭なんてあるんだろうか。
庭でゴールデンレトリバーと遊ぶような理想の家庭も、もしかしたら世間体だけよくしたモラハラ両親かもしれないし。
うちの家は普通!!幸せ!!って思い込んでても、それはそれで幸せだったのかも。
同じ宗教内で結婚して、子どもを産んで、教会で奉仕して。
でも、運命を変えてしまったからには、考えていきたい。
自分で新しい家庭を作って、「この家族でよかった」って思ってもらえるような、家庭を作っていきたいです。